ポケスリで痩せよう! 〜ポケモンスリープ×筑波大学×あすけんの共同研究をざっくり紹介〜
概要: 筑波大学の研究チームが、睡眠計測ゲームアプリ「ポケモンスリープ」と食事・体重管理アプリ「あすけん」を併用しているユーザー2,063人のデータを分析したところ、総睡眠時間は約48分増加し、睡眠指標が改善した群ではBMIが大きく低下する傾向が見られました。
こんにちは、bvvです。
今年の3月に、ポケモンスリープを用いた研究が学術誌「Sleep Health」に掲載されました。そこで、本記事ではその研究成果を解説していきます。
背景
近年、歩数計アプリやダイエットアプリなど、健康管理をサポートするスマホアプリが急増しています。中でも注目されているのが「ゲーミフィケーション」、つまり、ゲーム要素を取り入れて継続率を高める手法です。
ポケモンスリープも、まさにこのゲーミフィケーションを活用した睡眠計測ゲームアプリの一つです。しかし、このような睡眠計測ゲームアプリが、ユーザーの健康指標にどのような影響を与えるかについては、まだ十分に研究されていません。
そこで筑波大学の研究チームは、ポケモンスリープに加え、食事・体重管理アプリ「あすけん」を併用しているユーザーのデータを分析することにしました。
方法: 2,063人を90日間追跡
研究チームは、90日間に渡ってあすけんでBMIを記録しているポケモンスリープユーザーの中から、2,063人(平均年齢38.3歳、女性82.1%)のデータを分析しました。
体重(kg)を身長(m)の二乗で割った値で、肥満度の指標として広く用いられています。
対象とした睡眠指標は以下の4つです。
| 指標 | 説明 |
|---|---|
| 総睡眠時間 | 実際に眠っていた時間 |
| 睡眠潜時 | 寝床に入ってから寝つくまでの時間 |
| 中途覚醒時間割合 | 睡眠中に目が覚めていた時間の割合 |
| 就寝時刻 | 寝床に入った時刻 |
これらの変化と、BMI(肥満度の指標)の変化との関係を調べました。
結果: 総睡眠時間が約48分増加 + BMIが低下
90日間で、総睡眠時間の参加者平均値は5.5時間から6.3時間へと約48分増加しました。
さらに、各睡眠指標が「改善した人」と「改善しなかった人」でBMIの変化を比較したところ、以下のような結果が得られました。

(出典: 睡眠計測ゲームアプリ利用は睡眠指標の改善を促し BMI 低下につながる)
| 睡眠指標 | 改善群のBMI変化 | 非改善群のBMI変化 | p値 |
|---|---|---|---|
| 総睡眠時間 | −0.38 | −0.19 | 0.115 |
| 睡眠潜時 | −0.51 | −0.23 | 0.030* |
| 中途覚醒時間割合 | − | − | 0.835 |
| 就寝時刻 | −0.45 | −0.23 | 0.134 |
*p < 0.05(統計学的に有意)
総睡眠時間、睡眠潜時、就寝時刻が改善した群ではBMIが大きく低下する傾向が見られました。特に睡眠潜時(寝つきの良さ)の改善群では、統計的に有意な差が確認されました。
一方、中途覚醒時間割合については、改善群と非改善群で大きな差は見られませんでした。
議論
今回の研究結果は、ポケモンスリープのようなゲーミフィケーションを取り入れた睡眠計測アプリが、ユーザーの睡眠習慣を改善し、それがBMI低下につながる可能性を示唆しています。
睡眠改善がBMI低下につながるメカニズムとして、食欲に関わるホルモンの改善(グレリンの減少、レプチンの増加)やエネルギー代謝の正常化などが知られています。
一方、本研究にはいくつかの限界があります。
- ポケモンスリープの睡眠計測は加速度計を使用しているため、精度に限界がある
- 両アプリを90日間使い続けるユーザーは健康意識が高い可能性があり、一般化には注意が必要である
まとめ: ポケモンと一緒に健康的な睡眠習慣を
いかがでしたか?
本研究は、ポケモンスリープのような睡眠トラッキングアプリが、単なる睡眠記録ツールを超えて、ダイエットにも役立つ可能性を示しています。ダイエットに悩む方は、まずはポケモンスリープで睡眠習慣を見直してみるのも一つの手かもしれませんね。
また、ポケモンスリープのユーザーとして、私たちの睡眠データが科学に貢献できて嬉しい限りですね🎶
参考文献
- Iwagami, M., Seol, J., & Yanagisawa, M. (2025). Temporal changes in sleep parameters and body mass index after using a sleep-tracking app with gamification. Sleep Health, 11(3), 275-278. https://doi.org/10.1016/j.sleh.2025.03.001